ラクドスミッドレンジは
2013年8月27日 TCG全般スタンで5月からまったりとラクドスミッドレンジを使い続けてるので、デッキのことでも書きます。
ラクドスを使おうと思ったきっかけは4月ごろの五竜杯優勝の方のレシピです。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~FDC/120th-result.html
低マナ域は除去と鬱外科医など防御的なカードで構成されていて、「序盤を捌いてから、相手の体制が整う前にライフを一気に奪う」という動きを想定したレシピになっています。
2012年末(GP名古屋)時点のよく知られたレシピでは、「序盤から相手を負かすまで攻め続ける」というデッキであり
・デッキ自体の不安定さ、事故りやすさ
・アグロへの無抵抗さ
などが問題でしたが、コンセプトの変更により、これらはかなり改善されています。
具体的に見ていきましょう。
以下が自分の今使っているものに近いレシピです。
----------------------------------------------
(クリーチャー23)
4 《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》
3 《悪名の騎士/Knight of Infamy(M13)》
4 《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》
4 《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》
4 《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》
1 《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》
3 《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》
(スペル12)
2 《死の重み/Dead Weight(ISD)》
2 《ショック/Shock(M14)》
3 《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》
1 《破滅の刃/Doom Blade(M14)》
1 《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》
1 《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
2 《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》
(土地25)
8 《沼/Swamp(M14)》
1 《山/Mountain(M14)》
4 《血の墓所/Blood Crypt(RTR)》
4 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(M13)》
4 《ラクドスのギルド門/Rakdos Guildgate(RTR)》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》
(サイドボード15)
4 《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》
4 《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》
2 《殺戮遊戯/Slaughter Games(RTR)》
1 《変わり谷/Mutavault(M14)》
1 《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》
1 《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold(ISD)》
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(M14)》
----------------------------------------------
■低マナ域のカード選択
もともとラクドスは《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler(RTR)》など中盤以降トップデッキしてきて弱いカードを採用せず、強いカードを終始叩き付けることで勝つデッキでした。
アグロがそれほど多くない時はそれで勝てていましたが、GTC発売後はグルールなどアグロが強くなり、状況が変わってきます。
《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》や《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》は、序盤に出ても続くアクションが《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》タップイン、中盤以降はブロッカーにもならないため、アグロに対して弱いカードです。
「強いカードを終始叩き付ける」という明快な思想に従うなら、今や1マナ圏にはゾンビではなく除去を採用すべきでしょう。
除去を採用する理由は
・相手の序盤の動きを潰すことでデッキの主力である3~5マナ圏に到達しやすい
・マナスクリュー時にも時間を稼ぐことができ、体制を立て直しやすい
という、デッキの構造上の不安を解消する点にもあります。
2マナ圏の除去と《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》の採用も同様の理由からです。
1マナ圏は行動回数で負けないため、2マナ圏は相手の脅威に少ないマナで対処するためのカードが中心になります。
《死の重み/Dead Weight(ISD)》は色マナの制約上、《ショック/Shock(M14)》はゴーア族湧血やオーラ、銀刃などへの対応、《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》はドムリへの回答としてまず選ばれそうなところです。
なお、最近は墓所這いや戦墓のグールがメインデッキに入ったいわゆる”ラクドスミッドレンジ”のサイドボードにも《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》や《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》が採られています。鬱外科医ぺろぺろ。
■3~5マナ域の生物選択
ゲラルフの伝書使、ファルケンラスの貴種、雷口のヘルカイトというラインナップは、《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》と相まって非常に強力であり、相手が有利な状況をつくる前にさっさとライフを削りきることで、相手の使う高コストのカードへの対抗手段となります。
このあたりの生物について疑う余地はなさそうですが、アグロを意識するならなぜ赤ラクドス(ボロスの反攻者)にしないのか、という疑問は沸くかもしれません。
これは除去を多用するミッドレンジやコントロール相手には《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》がいないとどうしても不利になってしまうというのが理由です。
多様なデッキが存在する今のスタンダードでは、明確にコントロールに不利がつく構成は少しためらわれます。
サイドボード後、コントロールに対し墓所這い+戦墓のグールを採ることができるということも、ゲラルフを使う=黒をメインカラーにする理由です。
なお、ヘルカイトは除去を火力に頼っているデッキには強いですが、《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm(RTR)》や《破滅の刃/Doom Blade(M14)》が多いようであれば《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》という選択肢のほうが有効です。
■その他メインデッキのカード選択
《悪名の騎士/Knight of Infamy(M13)》
相手が1/3を出してライブラリトップから《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》を手に入れたり、4マナを立ててエンドしてきてイライラした時、こいつがいればすぐに相手をぶん殴りに行けます!
《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》
アドバンテージを得る手段に乏しいラクドスにとっては、横に並べるデッキに展開負けしてしまうと追いつくのが難しいのですが、かがり火は挽回の良い機会になります。
除去耐性のあるラクドスの生物は頑強なブロッカーでもあるので、単体除去と合わせて耐え忍びさえすればチャンスが出てくる時もあります。
あと、奇跡したら気持ち良いですね?
《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
序盤シビアに攻めてくる相手にはかがり火よりもこちらが欲しくなります。
実際アグロ相手にやりたいことは大体できて一応キープ基準にもなるため優秀です。
■サイドボード
アグロに対して:
除去を増やしたからと安心できるほど甘くないので、序盤の対策は可能な限り入れたいところです。
相手の展開に圧倒されないための
・《漸増爆弾/Ratchet Bomb(M14)》
・《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
などの複数除去、相手の火力でテンポを取られるのを防ぐための
・《死せざる邪悪/Undying Evil(DKA)》
などが候補です。鬱外科医、夜鷲、オリヴィアが生き残ると大分楽になります。
コントロール、ミッドレンジに対して:
主力のクリーチャーは3マナ以降なので、相手が枚数をかけてきれいに対処してくると間に合うことも多く、やや苦しくなります。
脅威を増やす意味で昔ながらの
・《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》
・《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》
が使えます。
クリーチャーの数を増やすことで、《遠隔/不在/Far/Away(DGM)》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》といった除去に対して耐性がつく点でも有効です。
また、攻守の入れ替わりの激しいゲームではクロックを維持するために
・《死せざる邪悪/Undying Evil(DKA)》
なども欲しい場面があるかもしれません。
手札破壊に関しては
・《強迫/Duress(M14)》
・《脳食願望/Appetite for Brains(AVR)》
・《殺戮遊戯/Slaughter Games(RTR)》
・《ラクドスの復活/Rakdos’s Return(RTR)》
がありますが、殴りに行く際の安全確認や、対処しようのないパーマネント(《悪魔の顕現/Demonic Rising(AVR)》など)への対策として、強迫と殺戮遊戯が優先されるのかなという感想です。
だらだらと書いてきましたが、ラクドスミッドレンジは「攻撃しか考えていない」デッキではなく、カード選択次第で不安定さも解消することができ、様々なデッキに対し戦える丸いデッキです。
「強すぎるデッキ」ではありませんが、長く使い続けられる、調整し甲斐のあるデッキですので、残り1ヶ月、スタンダードで貴種やヘルカイトと共に過ごすのも良いのではないでしょうか。
ラクドスを使おうと思ったきっかけは4月ごろの五竜杯優勝の方のレシピです。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~FDC/120th-result.html
低マナ域は除去と鬱外科医など防御的なカードで構成されていて、「序盤を捌いてから、相手の体制が整う前にライフを一気に奪う」という動きを想定したレシピになっています。
2012年末(GP名古屋)時点のよく知られたレシピでは、「序盤から相手を負かすまで攻め続ける」というデッキであり
・デッキ自体の不安定さ、事故りやすさ
・アグロへの無抵抗さ
などが問題でしたが、コンセプトの変更により、これらはかなり改善されています。
具体的に見ていきましょう。
以下が自分の今使っているものに近いレシピです。
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(クリーチャー23)
4 《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》
3 《悪名の騎士/Knight of Infamy(M13)》
4 《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》
4 《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》
4 《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》
1 《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》
3 《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite(M13)》
(スペル12)
2 《死の重み/Dead Weight(ISD)》
2 《ショック/Shock(M14)》
3 《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》
1 《破滅の刃/Doom Blade(M14)》
1 《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》
1 《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
2 《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》
(土地25)
8 《沼/Swamp(M14)》
1 《山/Mountain(M14)》
4 《血の墓所/Blood Crypt(RTR)》
4 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(M13)》
4 《ラクドスのギルド門/Rakdos Guildgate(RTR)》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》
(サイドボード15)
4 《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》
4 《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》
2 《殺戮遊戯/Slaughter Games(RTR)》
1 《変わり谷/Mutavault(M14)》
1 《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》
1 《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold(ISD)》
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(M14)》
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■低マナ域のカード選択
もともとラクドスは《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler(RTR)》など中盤以降トップデッキしてきて弱いカードを採用せず、強いカードを終始叩き付けることで勝つデッキでした。
アグロがそれほど多くない時はそれで勝てていましたが、GTC発売後はグルールなどアグロが強くなり、状況が変わってきます。
《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》や《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》は、序盤に出ても続くアクションが《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》タップイン、中盤以降はブロッカーにもならないため、アグロに対して弱いカードです。
「強いカードを終始叩き付ける」という明快な思想に従うなら、今や1マナ圏にはゾンビではなく除去を採用すべきでしょう。
除去を採用する理由は
・相手の序盤の動きを潰すことでデッキの主力である3~5マナ圏に到達しやすい
・マナスクリュー時にも時間を稼ぐことができ、体制を立て直しやすい
という、デッキの構造上の不安を解消する点にもあります。
2マナ圏の除去と《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》の採用も同様の理由からです。
1マナ圏は行動回数で負けないため、2マナ圏は相手の脅威に少ないマナで対処するためのカードが中心になります。
《死の重み/Dead Weight(ISD)》は色マナの制約上、《ショック/Shock(M14)》はゴーア族湧血やオーラ、銀刃などへの対応、《戦慄掘り/Dreadbore(RTR)》はドムリへの回答としてまず選ばれそうなところです。
なお、最近は墓所這いや戦墓のグールがメインデッキに入ったいわゆる”ラクドスミッドレンジ”のサイドボードにも《鬱外科医/Gloom Surgeon(AVR)》や《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》が採られています。鬱外科医ぺろぺろ。
■3~5マナ域の生物選択
ゲラルフの伝書使、ファルケンラスの貴種、雷口のヘルカイトというラインナップは、《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》と相まって非常に強力であり、相手が有利な状況をつくる前にさっさとライフを削りきることで、相手の使う高コストのカードへの対抗手段となります。
このあたりの生物について疑う余地はなさそうですが、アグロを意識するならなぜ赤ラクドス(ボロスの反攻者)にしないのか、という疑問は沸くかもしれません。
これは除去を多用するミッドレンジやコントロール相手には《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger(DKA)》がいないとどうしても不利になってしまうというのが理由です。
多様なデッキが存在する今のスタンダードでは、明確にコントロールに不利がつく構成は少しためらわれます。
サイドボード後、コントロールに対し墓所這い+戦墓のグールを採ることができるということも、ゲラルフを使う=黒をメインカラーにする理由です。
なお、ヘルカイトは除去を火力に頼っているデッキには強いですが、《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm(RTR)》や《破滅の刃/Doom Blade(M14)》が多いようであれば《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》という選択肢のほうが有効です。
■その他メインデッキのカード選択
《悪名の騎士/Knight of Infamy(M13)》
相手が1/3を出してライブラリトップから《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》を手に入れたり、4マナを立ててエンドしてきてイライラした時、こいつがいればすぐに相手をぶん殴りに行けます!
《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned(AVR)》
アドバンテージを得る手段に乏しいラクドスにとっては、横に並べるデッキに展開負けしてしまうと追いつくのが難しいのですが、かがり火は挽回の良い機会になります。
除去耐性のあるラクドスの生物は頑強なブロッカーでもあるので、単体除去と合わせて耐え忍びさえすればチャンスが出てくる時もあります。
あと、奇跡したら気持ち良いですね?
《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
序盤シビアに攻めてくる相手にはかがり火よりもこちらが欲しくなります。
実際アグロ相手にやりたいことは大体できて一応キープ基準にもなるため優秀です。
■サイドボード
アグロに対して:
除去を増やしたからと安心できるほど甘くないので、序盤の対策は可能な限り入れたいところです。
相手の展開に圧倒されないための
・《漸増爆弾/Ratchet Bomb(M14)》
・《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M14)》
などの複数除去、相手の火力でテンポを取られるのを防ぐための
・《死せざる邪悪/Undying Evil(DKA)》
などが候補です。鬱外科医、夜鷲、オリヴィアが生き残ると大分楽になります。
コントロール、ミッドレンジに対して:
主力のクリーチャーは3マナ以降なので、相手が枚数をかけてきれいに対処してくると間に合うことも多く、やや苦しくなります。
脅威を増やす意味で昔ながらの
・《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》
・《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》
が使えます。
クリーチャーの数を増やすことで、《遠隔/不在/Far/Away(DGM)》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》といった除去に対して耐性がつく点でも有効です。
また、攻守の入れ替わりの激しいゲームではクロックを維持するために
・《死せざる邪悪/Undying Evil(DKA)》
なども欲しい場面があるかもしれません。
手札破壊に関しては
・《強迫/Duress(M14)》
・《脳食願望/Appetite for Brains(AVR)》
・《殺戮遊戯/Slaughter Games(RTR)》
・《ラクドスの復活/Rakdos’s Return(RTR)》
がありますが、殴りに行く際の安全確認や、対処しようのないパーマネント(《悪魔の顕現/Demonic Rising(AVR)》など)への対策として、強迫と殺戮遊戯が優先されるのかなという感想です。
だらだらと書いてきましたが、ラクドスミッドレンジは「攻撃しか考えていない」デッキではなく、カード選択次第で不安定さも解消することができ、様々なデッキに対し戦える丸いデッキです。
「強すぎるデッキ」ではありませんが、長く使い続けられる、調整し甲斐のあるデッキですので、残り1ヶ月、スタンダードで貴種やヘルカイトと共に過ごすのも良いのではないでしょうか。
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